不妊検査の完全ガイド!女性と男性の原因と治療を専門医が解説

著者:アクア鍼灸治療院

不妊の原因が分からず、検査や治療に踏み出せずにいませんか。妊娠を望む夫婦のうち、一定期間避妊せず性生活を続けても妊娠しない「不妊症」と診断されるケースは増加傾向にあります。厚生労働省の発表によれば、近年の日本では夫婦の約6組に1組が不妊の悩みを抱えており、その背景には女性の卵管閉塞や子宮内膜症、男性の精子減少や精索静脈瘤など、複合的な原因が絡んでいます。

 

不妊検査に対して、「費用が高そう」、「精液検査に抵抗がある」、「女性側の負担が大きすぎる」といった声も少なくありません。また、体外受精や顕微授精といった生殖補助医療への不安、ホルモン治療による副作用、検査機関選びへの迷いもよくある悩みです。実際には保険適用される検査も多く、検査方法も段階的に行える体制が整ってきています。

 

この記事では、女性と男性それぞれの不妊検査内容から診療科の選び方、最新の保険適用範囲や医療費の目安まで、専門医の監修に基づいた正確な情報を徹底的に解説します。

不妊治療・不妊鍼灸や不育症の改善ならアクア鍼灸治療院

アクア鍼灸治療院は、不妊治療専門の鍼灸院です。私たちは、わずか3ヶ月で妊娠に導くことを目指しており、東洋医学の知識と技術を駆使して、患者様一人ひとりに最適な治療をご提供しています。鍼灸治療を通じて、体のバランスを整え、自然な妊娠をサポートします。初めての方でも安心して受けられるよう、丁寧なカウンセリングを行い、リラックスできる環境を整えています。

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不妊とは?女性にも男性にも共通する不妊症の基本知識

不妊の定義と医学的分類(WHO基準・日本産科婦人科学会による見解)

 

不妊とは、避妊を行わずに一定期間性生活を営んでいるにもかかわらず、妊娠に至らない状態を指します。この「一定期間」とは、一般的に12か月間を意味します。世界保健機関(WHO)ではこの期間を標準とし、日本産科婦人科学会も同様の見解を示しています。特に女性の年齢が35歳を超える場合、半年以上妊娠しない場合も不妊症として早期受診が推奨されています。

 

不妊は単なる女性の問題と思われがちですが、実際には女性因子と男性因子がそれぞれ約半数ずつを占め、さらに両者に問題がある場合や原因不明のケースも存在します。このような背景から、不妊は「カップル全体の問題」として捉えることが重要です。

 

近年では「生殖補助医療(ART)」の発達により、不妊の診断や治療方法が格段に進歩しています。タイミング療法、人工授精、体外受精、顕微授精など、段階的に治療が用意されており、個別の状況に応じた選択が可能です。

 

また、医学的な定義だけでなく、精神的・社会的な側面からの理解も求められます。妊娠が叶わないことへの不安、周囲からのプレッシャー、将来への不確実性といった心理的な負担が不妊治療を難しくする要因となることもあります。

 

不妊症と不育症の違いとは?

 

不妊症と不育症は混同されがちですが、実はまったく異なる概念です。不妊症は「妊娠できない状態」、不育症は「妊娠は成立するものの、出産まで至らず流産や死産を繰り返す状態」を指します。

 

近年では不妊治療中に妊娠できたが、その後流産を繰り返すというケースが増えています。このような場合、治療方針を不妊症から不育症対策へと切り替える必要があります。検査や治療方法が異なるため、適切な診断が非常に重要です。

 

年齢と妊孕性の関係について加齢によるリスクとは?

 

妊娠のしやすさには年齢が大きく関係しています。特に女性は35歳を超えると妊孕性(妊娠する力)が急激に低下する傾向があり、40歳を超えると自然妊娠の確率は10%未満とも言われています。

 

卵子は生まれた時から数が決まっており、新しく作られることはありません。加齢とともに卵子の質も低下し、染色体異常の発生率が高まることが知られています。これにより流産や先天性疾患のリスクも増加します。

 

以下は年齢別の妊娠率と流産率の参考データです。

 

年齢自然妊娠率(月あたり)流産率(妊娠した場合)
25歳約25%約10%
30歳約20%約15%
35歳約15%約20%
40歳約5%約30%
45歳1〜2%約50%

 

男性も加齢によって精子の質(運動率やDNAの損傷率)が変化することがわかっており、妊娠率の低下や流産リスクの上昇に関与しています。

 

また、年齢が上がるほどに不妊治療にかかる費用や回数、身体への負担も大きくなります。タイミング療法では難しく、早い段階で体外受精などの高度生殖医療にステップアップするケースが増加しています。

 

不妊の原因とは?女性・男性に共通する要因を徹底解説

女性不妊の主な原因

 

女性の不妊には多くの要因が絡み合っていますが、その中でも大きな三本柱とされるのが排卵障害、卵管閉塞、子宮の疾患です。これらはホルモンのバランス、生殖器の構造、月経周期の異常などによって引き起こされることが多く、それぞれに異なる検査・治療法が必要です。

 

排卵障害は、女性の不妊原因の中でも特に多いとされ、主に以下のような疾患が関連します。

 

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS).卵胞の成長がうまく進まず、排卵しづらくなる状態。ホルモン分泌の異常が原因とされ、肥満・インスリン抵抗性との関連も深い。
  • 高プロラクチン血症.脳下垂体から分泌されるプロラクチンの過剰によって排卵が抑制される。
  • 甲状腺機能異常.甲状腺ホルモンは生殖に深く関与しており、機能低下・亢進ともに排卵障害の要因となる。

 

卵管閉塞は、卵子と精子が出会うために必要な卵管が閉じてしまう状態です。性感染症(クラミジア感染など)や子宮外妊娠の既往、腹腔内の癒着、骨盤内感染などが原因になります。卵管の通過性を調べるためには卵管造影検査が行われ、通過が不良な場合は体外受精へのステップアップが選択肢となります。

 

子宮の疾患も、妊娠の成立に直接関わる重要な要因です。子宮筋腫や子宮内膜症は、受精卵の着床環境を悪化させ、妊娠の可能性を大きく下げます。特に子宮内膜ポリープや子宮奇形(中隔子宮など)は、流産率を高めるリスク因子でもあります。

 

女性不妊の主な原因を整理すると以下のようになります。

 

原因カテゴリ具体的疾患名主な影響対応方法
排卵障害PCOS、高プロラクチン血症、甲状腺疾患無排卵、周期異常ホルモン治療、排卵誘発剤の使用
卵管障害卵管閉塞、卵管癒着、クラミジア感染卵子・精子の通過障害卵管形成術、体外受精への移行
子宮因子子宮筋腫、子宮内膜症、子宮奇形着床障害、流産率増加手術、ホルモン療法、着床補助技術の併用

 

これらの疾患は、1つに限定されるものではなく、複数が同時に存在するケースもあります。

 

男性不妊の主な原因

 

男性側に原因がある不妊も非常に多く、全体の約半数に関与していると報告されています。男性不妊の原因として主に挙げられるのは、精子数の減少、精子の運動率低下、そして精索静脈瘤などです。

 

精子数の減少は、単なる一時的な体調不良や生活習慣の乱れが原因になることもありますが、精巣自体の機能低下によって長期的に持続するケースも少なくありません。精液検査によって、精子の濃度・運動率・奇形率などが評価され、WHOの基準に基づいて正常・異常が判定されます。

 

精索静脈瘤とは、精巣に流れる血液の逆流によって静脈が拡張し、陰嚢内の温度が上昇して精子の質が低下する状態です。20代〜30代の男性に多く見られ、手術(顕微鏡下低位結紮術)により改善するケースも報告されています。

 

 

男性不妊の評価では、ホルモン検査(FSH、LH、テストステロンなど)や超音波検査も有効です。精子の質に問題がある場合でも、顕微授精(ICSI)などの先進医療で妊娠の可能性を高めることができます。

 

不妊になりやすい職業や生活習慣、ストレスの影響

 

不妊の原因は医学的な疾患だけではありません。職業環境や生活習慣、ストレスといった日常的な要素も妊孕性に大きな影響を及ぼします。

 

まず職業についてです。長時間の座り仕事(ITエンジニア、事務職など)や高温環境での作業(調理師、工場作業員など)は男性の精子形成に悪影響を与えるとされています。女性においても、不規則勤務や夜勤の多い看護師、介護士、CAなどはホルモンバランスが乱れやすく、排卵や月経周期に影響を与えやすいといわれています。

 

さらに、ストレスの蓄積は自律神経やホルモンバランスに深く関係しており、長期間にわたって影響が出る場合があります。心理的サポートを含む統合的なケアが求められる場面も多くなってきています。

 

不妊治療を行う以前に、まずは自分の生活環境を見直すことも極めて重要です。検査・治療と並行して、ライフスタイルの最適化を図ることが妊娠への近道になるケースも少なくありません。

 

不妊症の検査と診断ステップ!カップルで始める安心の受診ガイド

女性向け不妊検査!ホルモン・子宮・卵管の確認

 

女性の不妊原因を特定するためには、ホルモンの状態、子宮と卵巣の構造、卵管の通過性を含めた包括的な検査が不可欠です。月経周期に応じたタイミングで行う必要があり、検査結果はその後の治療方針の決定に直結します。

 

検査は一般的に以下の流れで実施されます。

 

  1. 問診と基礎体温の確認
     生活習慣、月経周期、過去の妊娠・流産歴などを確認します。基礎体温表は排卵の有無や黄体機能の評価に役立ちます。
  2. ホルモン検査(血液検査)
     月経周期に応じてFSH、LH、エストラジオール、プロゲステロン、甲状腺ホルモン、プロラクチン、AMH(抗ミュラー管ホルモン)などを測定します。AMH値は卵巣予備能を示し、治療計画の基準にもなります。
  3. 超音波検査(経腟)
     卵胞の発育状況、排卵の兆候、子宮内膜の厚さ、子宮筋腫や卵巣嚢腫の有無などを確認します。
  4. 子宮卵管造影検査(HSG)
     造影剤を子宮に注入し、X線や超音波で卵管の通過性を確認。卵管閉塞や癒着の診断が可能です。
  5. 子宮鏡検査・腹腔鏡検査(必要に応じて)
     子宮内ポリープ、内膜癒着、子宮奇形の有無を確認。腹腔鏡では子宮内膜症や卵巣の状態を直接観察できます。
    月経不順や体外受精を検討する場合は、さらに詳細な検査や刺激周期にあわせた採卵準備が必要となります。これらの検査を通じて、女性の妊孕性を科学的に把握することが、最適な治療方針決定の第一歩です。

 

男性向け不妊検査!精液検査と超音波検査の流れ

 

男性の不妊検査は、女性よりもシンプルで身体的負担も少ないものが中心ですが、その内容と正確性は非常に重要です。不妊原因の約半数は男性側に起因するとされ、初期段階での検査が極めて重要です。

 

代表的な検査は以下の通りです。

 

  1. 精液検査(精子の量・運動率・形態を測定)
     2〜7日間の禁欲期間を経た上で、精液を採取します。WHO基準に基づき以下の項目を評価します。

 

精液量(1.5ml以上)・ 精子濃度(1500万/ml以上)・総運動率(40%以上)・正常形態(4%以上)・ 精子生存率、奇形率、粘性なども評価対象

 

  1. ホルモン検査(血液検査)
     FSH、LH、テストステロン、プロラクチンなどを測定し、造精機能や性腺機能の異常を確認します。
  2. 超音波検査(陰嚢部・前立腺)
     精巣サイズや腫瘍の有無、精索静脈瘤の診断を目的とします。静脈瘤が認められる場合、血液循環や温度上昇が精子形成に影響するため、手術の適応となることもあります。
  3. 精巣生検(必要に応じて)
     精液中に精子が存在しない場合、精巣から組織を採取して、精子の有無や精子形成の状態を確認します(TESE)。
検査名

 

内容対象者目的
精液検査濃度・運動率・奇形率などを評価全男性不妊対象妊孕性の初期評価
ホルモン検査FSH・LH・テストステロンなど無精子症や運動率低下の男性造精機能や内分泌異常の確認
陰嚢超音波検査精巣サイズ、精索静脈瘤の確認精液所見が不良な男性原因の局在化と治療適応の判断
精巣生検(TESE)精子の直接採取と状態確認無精子症、重度乏精子症の男性顕微授精を前提とした診断

 

近年では、DNA断片化指数(DFI)などを評価する高精度検査も注目されており、体外受精や顕微授精を選択する上で重要な情報となるケースが増えています。

 

検査の料金と保険適用範囲(最新情報)

 

令和4年から不妊治療は公的保険の適用対象となり、検査・治療にかかる経済的負担は大きく緩和されました。現在でもその制度は継続されており、特に初診・検査段階の費用は自己負担が軽くなっています。

 

下記に代表的な検査の費用と保険適用状況をまとめます。

 

検査項目保険適用自己負担額(3割負担時の目安)備考
初診料約900円〜1000円再診料は数百円程度
基礎ホルモン検査約2000〜3000円AMH検査は自由診療が多い
経腟超音波検査約1000〜2000円月経周期ごとに複数回実施あり
子宮卵管造影検査約3000〜4500円造影剤費用含む、日帰り検査
精液検査約2000〜3000円一部医療機関では自由診療扱いもあり
精巣生検(TESE)×約150000〜300000円高度生殖補助医療として自由診療
染色体・遺伝子検査条件付きで適用医師判断とカップルの状況により変動

 

保険の適用対象は、基本的に「不妊症と診断されたカップル」であり、年齢制限(女性43歳未満)や通院回数に条件がある場合もあります。特にAMH検査や抗精子抗体検査など、一部の先進的検査は自由診療となることが多いため、医療機関ごとに確認が必要です。

 

まとめ

不妊の悩みは、決して一人だけの問題ではありません。日本では、妊娠を希望する夫婦のうち約6組に1組が不妊の課題を抱えているとされ、女性だけでなく男性側にも原因があることがわかっています。現代では検査や治療の方法も多様化しており、それぞれの状況に応じたアプローチが可能になっています。

 

女性の場合は、排卵やホルモンバランス、卵管の閉塞や子宮内膜症などが主な要因として挙げられます。一方、男性は精子の濃度や運動率、精索静脈瘤といった精巣の異常が原因となることが多く、両者にとって適切な検査が必要不可欠です。特に精液検査やホルモン検査、子宮卵管造影といった診断ステップは、原因を早期に特定するための重要な鍵となります。

 

さらに、現在では保険適用の範囲が広がり、経済的な負担を抑えながら不妊検査や治療を進められるようになってきました。初診からステップアップ治療までの流れが整理されている医療機関も増えており、安心して検査を受ける環境が整いつつあります。

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アクア鍼灸治療院は、不妊治療専門の鍼灸院です。私たちは、わずか3ヶ月で妊娠に導くことを目指しており、東洋医学の知識と技術を駆使して、患者様一人ひとりに最適な治療をご提供しています。鍼灸治療を通じて、体のバランスを整え、自然な妊娠をサポートします。初めての方でも安心して受けられるよう、丁寧なカウンセリングを行い、リラックスできる環境を整えています。

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よくある質問

Q.不妊の検査にかかる費用はどのくらい?保険は適用されるの?
A.不妊の検査費用は内容によって異なりますが、女性のホルモン検査や子宮卵管造影検査、男性の精液検査など基本的な検査にはおよそ5000円から3万円前後がかかります。令和4年から不妊治療への保険適用が段階的に拡大され、現在では、ホルモン検査や排卵の確認、精子濃度の測定などの診療項目が公的医療保険の対象となっています。ただし、精密な生殖補助医療や先進技術を用いた検査は一部自費となるため、事前に医療機関での確認が重要です。

 

Q.年齢によって不妊症のリスクはどのくらい変わるの?
A.女性の妊娠率は年齢とともに変化し、30代後半から急激に低下する傾向があります。特に35歳以降では卵子の質や数の減少が顕著となり、排卵周期の不安定化や子宮内膜症のリスクも高まります。統計によると、40歳での妊娠成功率は20代の半分以下とも言われており、妊娠にかかる期間や必要な治療法にも影響が出ます。早期の検査と治療ステップの把握が、妊孕性を保つための大きなポイントになります。

 

Q.精子の運動率や濃度が低いと診断された場合、治療で改善できる?
A.男性不妊の多くは、精子の運動率低下や精索静脈瘤といった異常に起因します。特に精子の運動率が40%未満、または精液量が極端に少ない場合には、精索静脈瘤の有無やホルモンバランスの検査が重要です。治療にはホルモン療法、抗酸化物質の摂取、生活習慣の改善などがあり、状況によっては顕微授精や体外受精といった生殖補助医療が適用されます。早期の検査と専門医による診療で、適切な改善方法を選択することが可能です。