不妊治療の用語集!初心者でもわかる略語と治療用語を解説

著者:アクア鍼灸治療院

不妊治療の専門用語、多すぎて意味が分からない…と感じていませんか?

 

診察中に医師が使う「FSH」や「AMH」、治療方針で登場する「ICSI」や「胚盤胞」など、聞き慣れない略語や記号が次々と出てきて、戸惑う方が少なくありません。特に排卵や卵胞、黄体ホルモンなど、卵子や子宮に関わる言葉が頻出する中で、それぞれが「どのタイミングで」「どんな意味を持つのか」を知らないと、不安ばかりが募ってしまいます。

 

実際、全国の生殖医療クリニックで配布される説明書や問診票でも略語の使用が標準化されていますが、患者向けの明確な解説は十分とは言えません。「BT」「ET」「D1」などの記号は、治療結果や妊娠の可能性を左右する大切な指標でありながら、自己解釈で進めると誤解やタイミングのズレを招く恐れもあります。

 

この記事では、不妊治療の現場で実際に使用されている用語や記号を五十音順に体系的に整理し、「意味」「使用タイミング」「誤解されやすい点」まで徹底解説。

 

最後まで読むことで、診察中の不安が解消され、医療者とのコミュニケーションが驚くほどスムーズになります。あなたの治療が納得と安心に変わる一歩を、ここから踏み出してみませんか。

 

不妊治療・不妊鍼灸や不育症の改善ならアクア鍼灸治療院

アクア鍼灸治療院は、不妊治療専門の鍼灸院です。私たちは、わずか3ヶ月で妊娠に導くことを目指しており、東洋医学の知識と技術を駆使して、患者様一人ひとりに最適な治療をご提供しています。鍼灸治療を通じて、体のバランスを整え、自然な妊娠をサポートします。初めての方でも安心して受けられるよう、丁寧なカウンセリングを行い、リラックスできる環境を整えています。

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用語を五十音順に一覧!50音から探せる不妊治療用語一覧

主な用語の五十音並べ

不妊治療における専門用語は、一般的な医療用語や略語が多く含まれており、特に初めて妊活を始める人や、通院を開始したばかりの患者にとっては非常に分かりづらいものです。その中でも五十音順の一覧形式は、初心者にとって直感的で分かりやすく、用語を調べる際のストレスを大幅に軽減してくれる構成です。実際に医療現場では略語(BT、ET、CLなど)が頻繁に使われるにもかかわらず、患者側がその意味を把握できていないことで、治療の進行に不安を感じてしまう場面が少なくありません。

 

例えば「AMH」や「FSH」などホルモン検査の略語、「卵胞」「排卵誘発剤」「精子運動率」などの生殖用語、「体外受精(IVF)」「顕微授精(ICSI)」「胚盤胞」などの治療工程に関連する言葉は、患者の理解不足によって治療に対する不安やストレスを招く原因になります。これを解消するためには、誰でも調べやすく、一目で確認できるように並べ替えや整理がされていることが不可欠です。

 

五十音順の検索性が持つ最大の利点は、必要な情報に即座にアクセスできることです。以下は、五十音順の用語集です。

 

五十音主な用語例用語例の一部説明キーワード(共起語含む)
あ行卵子、AMH、ART卵巣、卵管、受精排卵、受精卵、成熟、刺激、培養
か行顕微授精、CL、クロミッド黄体、基礎体温着床、ホルモン、排卵誘発、周期
さ行精子、精液、採卵精子運動率、精管、射精無精子症、乏精子症、精巣、運動
た行胎児、体外受精(IVF)BT、胚盤胞、透明帯移植、凍結、融解、顆粒膜細胞
な行内膜、妊娠、妊活H1、H14、高温期着床、基礎体温、黄体ホルモン
は行排卵、ホルモン、胚移植LH、FSH、PMS時期、月経、診療、治療
ま行卵胞期、ミトコンドリア発育、成熟成長、機能、エストロゲン
や行染色体異常、黄体黄体機能不全プロゲステロン、排卵時期
ら行流産、レーザーアシストハッチング胚形成、異常、精子染色体
わ行和温療法、割球胚反応率、ホルモン低下胚移植、融解、着床障害

 

不妊治療においては、正しい言葉を正確に知ることが、治療の納得感や医師とのコミュニケーションの質を大きく左右する要素であり、患者自身の安心感にも直結します。

 

用語の使用シーンと誤解されやすい点

不妊治療に使われる用語は、単なる定義だけでは正確な理解に至らないケースが多々あります。その理由は、用語自体の意味よりも「どのタイミングで」「どのように使われるのか」といった使用シーンや前提知識が欠けていると、誤解が生まれやすいためです。

 

以下は、実際の治療プロセスにおける使用シーン別の用語例と、その注意点を整理したものです。

 

用語使用シーン誤解されやすい点解説キーワード
ET(胚移植)受精卵を子宮内に戻す処置「ET=妊娠確定」と誤認されやすい着床、判定日、黄体補充、融解
BT(判定日)妊娠判定のための血液検査日「BT=妊娠結果がわかる日」と断定しがち高温期、黄体ホルモン、hCG
D(例、D3)月経周期のカウント基準月経初日とD1の混同排卵誘発、周期、診療予約
H(例、H14)高温期の日数カウント高温期の定義が個人差により曖昧着床、基礎体温、排卵日
AMH卵巣予備能を表すホルモン値年齢との関係を過信または軽視しやすい卵子、卵巣、治療適応
ICSI顕微授精法のひとつ体外受精(IVF)との混同が多い精子注入、顕微鏡、受精卵形成
FSH卵胞刺激ホルモン値が高い=良好と思われがち卵胞、刺激、排卵周期

 

特に「D」「H」「BT」など、日数や周期に関係する略語は個々の治療スケジュールに深く関与しており、正しい意味を理解していないと診察の際に混乱が生じやすくなります。たとえばD3でのホルモン採血やH14での着床兆候確認といった工程では、医師との意思疎通に誤解があっては適切なタイミングを逃してしまうリスクすらあります。

 

よく使われる英語略語・アルファベット用語を完全網羅(ET・BT・CL・ICSI・OPU)

ET・BT・CLとは?胚移植・判定日・ホルモン補充の正しい意味と治療との関係

不妊治療の現場で頻繁に用いられる英語略語の中でも、ET(胚移植)、BT(判定日)、CL(黄体ホルモン)という言葉は、治療スケジュールを組み立てるうえで非常に重要な意味を持ちます。これらの用語は診療カルテや医師との会話、クリニックの説明書きに登場するものの、患者側の理解が追いついていないと治療内容の把握が難しくなり、不安や誤解を生む原因になります。

 

ETとは「Embryo Transfer」の略で、受精卵(胚)を子宮に移植する工程を指します。これは体外受精や顕微授精の後に行われる重要なステップであり、成功すればその後の妊娠成立に直接つながります。ETには新鮮胚移植と凍結胚移植があり、ホルモンバランスや子宮内膜の状態を見極めながら適切なタイミングが選ばれます。ETが行われる際、排卵誘発剤やホルモン補充療法が併用されることも多く、受精卵の成長段階(初期胚、胚盤胞)によって成功率やスケジュールも異なります。

 

BTとは「Blood Test」の略語で、胚移植後に妊娠判定を行うための血液検査日を指します。一般的にはETから数えて12日目〜14日目に実施され、血中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という妊娠ホルモンの濃度を測定することで妊娠の有無を判断します。BTという言葉はSNSやネット上でも頻出する略語ですが、「BT=妊娠確定日」と誤認されることも多く、あくまで判定の手段である点を明確に理解しておく必要があります。また、BTの結果によって黄体ホルモン補充の継続有無や次周期の治療方針が決定されるため、重要な判断基準にもなっています。

 

CLとは「Corpus Luteum」、すなわち黄体の略称です。不妊治療では「CL値」「CL補充」などの表現で使われ、排卵後の黄体ホルモンの分泌状態を示す指標や治療を意味します。CLの分泌が不足すると子宮内膜の成熟に支障をきたし、受精卵が着床しづらくなったり、妊娠を維持するためのホルモンバランスが崩れてしまうことがあります。そのため黄体ホルモン補充(プロゲステロン投与)が行われる場合も多く、CLという用語の正しい意味を理解することで、治療内容への納得感も高まります。

 

以下にET、BT、CLそれぞれの意味や使用シーン、誤解が起きやすいポイントを一覧で整理します。

 

用語正式名称意味使用タイミング誤解されやすい点補足情報
ETEmbryo Transfer受精卵(胚)を子宮内に戻す治療体外受精・顕微授精後ET=妊娠成立ではない凍結胚や新鮮胚でタイミングが異なる
BTBlood Test妊娠判定のための血液検査胚移植から12~14日後BT=陽性=妊娠継続と誤解されやすいhCGの数値に基づく判定が必要
CLCorpus Luteum黄体ホルモンの分泌に関する指標排卵後、着床維持期黄体ホルモンは自然に出ると思われがち不足時は投与で補う必要あり

 

患者の多くはこれらの略語を「わかっているようで曖昧」なまま治療を受けているケースがあり、特にSNSやブログなどの体験談では誤用や混乱が散見されます。正確な意味を理解せずにETの時期を見誤ったり、BTの結果に一喜一憂しすぎることで精神的な負担も増してしまいます。CLに至っては、診察時に数値の説明が不十分な場合、補充治療の必要性に疑問を感じてしまう方もいます。

 

このような背景から、これらの略語をしっかりと説明し、どの治療段階でどう使われているのか、何を意味するのかを患者自身が理解しておくことが重要です。専門家に任せる姿勢も必要ですが、納得して治療を進めるには、言葉の正確な理解が欠かせません。

 

IVF・ICSI・ART・OPU・AIHなどの違い

不妊治療における治療法の選択肢は多岐にわたり、それぞれの略語には異なる意味と適応条件があります。代表的な用語には、IVF(体外受精)、ICSI(顕微授精)、ART(生殖補助医療)、OPU(採卵)、AIH(人工授精)などがあり、これらは治療方針の決定に直結する重要な要素です。ただ、違いを正確に把握できていないと、「何をされているのか分からないまま通院している」という不安につながります。

 

IVFは「In Vitro Fertilization」の略で、卵子と精子を体外で受精させ、得られた受精卵を子宮に戻す治療です。ICSIは「Intracytoplasmic Sperm Injection」、つまり顕微授精を意味し、運動率や数が少ない精子を細い針で卵子内に直接注入する方法です。両者ともに培養や胚盤胞移植などの工程を含みますが、受精方法が異なります。

 

ARTは「Assisted Reproductive Technology」の略で、IVFやICSIを含む生殖補助医療の総称です。日本産科婦人科学会ではARTの年間実施件数を集計しており、保険適用の判断基準にもなっています。

 

OPUは「Ovum PickーUp」の略で、採卵手術を指します。卵胞が一定のサイズに成熟したタイミングで超音波ガイド下で卵子を回収する処置で、周期管理において要となる工程です。採卵のタイミングや数は成績に影響するため、ホルモン値や排卵誘発剤の種類は個別に調整されます。

 

AIHは「Artificial Insemination by Husband」、つまり配偶者間人工授精を意味します。排卵のタイミングに合わせ、洗浄処理した精子を子宮に注入する方法で、自然妊娠と高度生殖医療の中間的な位置づけの治療法です。卵管の通過性や精子所見の良好さが前提となります。

 

以下にこれらの略語の意味と違いをわかりやすく整理した表を示します。

 

略語正式名称内容主な適応特徴
IVFIn Vitro Fertilization体外で受精させた卵を子宮に戻す排卵障害、精子障害など保険適用あり、培養日数に応じた選択が可能
ICSIIntracytoplasmic Sperm Injection卵子に直接精子を注入重度男性不妊、受精障害歴高度な技術が必要、成功率が左右される
ARTAssisted Reproductive Technology生殖補助医療の総称IVF・ICSIを含む全般年間統計対象、法規制や助成制度の対象
OPUOvum Pick-Up採卵処置IVF・ICSI実施前局所麻酔下、卵胞サイズに応じて施行
AIHArtificial Insemination by Husband配偶者間人工授精軽度男性不妊、排卵障害保険適用、低侵襲で通院治療可能

 

これらの違いを正しく理解することで、治療方針の選択に対する納得感が生まれ、医師とのコミュニケーションもスムーズになります。また、患者自身が「自分の治療が今どのステージにあるのか」を正しく把握することで、次に何が起こるかを冷静に受け止めることができ、不安軽減にもつながります。

 

特に治療の複雑さが増す現代では、単なる略語の羅列ではなく、その背景にある医療技術、適応条件、副作用リスク、保険適用範囲、成功率などを総合的に捉える視点が求められます。

 

D1・H1など周期記号の意味と使い方!月経サイクルと高温期の見方

D1・D3・D14などの周期の数え方と医療現場での使い方

不妊治療における「D1」「D3」「D14」といった表現は、月経周期をベースとした日数の略語であり、通院のスケジューリングや検査、薬剤の投与、排卵の予測など、ほぼすべての診療で基盤となる重要な記号です。これらの「D」は「Day(デイ)」の頭文字を表しており、D1が月経の開始日(生理の初日)に該当します。

 

患者が治療スケジュールや排卵誘発剤の使用タイミングを理解するためには、この「Dカウント」の概念を正確に把握しておく必要があります。特に、D1の定義を誤って解釈すると、排卵検査のタイミングや採血・超音波検査の時期がズレてしまい、治療効果の低下や再スケジューリングの必要が生じるリスクが高まります。

 

以下に、主に使用されるD記号の意味とタイミング、医療現場での使われ方を一覧で整理します。

 

記号指す日医療現場での主な用途注意点
D1月経の開始日(経血が本格的に始まった日)月経周期の起点、ホルモン検査、超音波検査微量出血(茶色おりもの)のみではD1にカウントしない
D3月経開始から3日目基礎ホルモン検査(FSH、LH、E2)、治療開始判断血液検査の基準値が適用される重要なタイミング
D5〜D7月経中盤排卵誘発剤の服用開始や超音波モニタリング卵巣の刺激反応を見極めるポイント
D10〜D14月経後半〜排卵直前排卵確認のための超音波検査、hCG注射の時期LHサージ(排卵直前のホルモン急上昇)と合わせて判断
D14標準周期(28日)における排卵予定日人工授精(AIH)やタイミング法の実施時期個人差により前後するため要モニタリング
D21高温期中盤黄体ホルモン(プロゲステロン)検査着床環境や黄体機能の評価が可能

 

このように、D1を起点とした周期カウントは、各フェーズでの身体の変化を数値的に捉える手段として不可欠です。不妊治療ではこのカウントに基づいて診察・処置・投薬が行われるため、医療者と患者の間で共通認識があるかどうかが、治療成功率や効率性に直結します。

 

また、D14前後に排卵が起こるという前提で治療計画が立てられることが多いですが、実際にはストレスや体調の変化、卵巣機能の低下などで大きくズレることがあります。そのため、D10〜D14では頻繁な超音波検査や尿中LH検査(排卵検査薬)を併用して、実際の排卵日を特定することが推奨されます。

 

D数に関する誤解として、「月経が来た日=D1」という認識が間違っていないようで微妙にズレている場合がよくあります。実は、D1とするのは「朝からはっきりとした経血が出た日」であり、夕方からの少量出血や茶おり(褐色のおりもの)はプレ月経と判断される場合が多いです。この見極めが曖昧だと、全ての治療スケジュールに誤差が出てしまいます。

 

さらに、治療中に使用する排卵誘発剤(クロミフェン、レトロゾールなど)はD3〜D7から服用を開始するスケジュールが一般的です。そのため、服薬指示を正しく守るにはD数の認識が不可欠です。

 

D数カウントに関連する誤解・注意点を整理すると以下の通りです。

 

  • 「おりもの」や「茶おり」はD1ではないことが多い
  • 排卵日はD14とは限らず、周期によってD10〜D18の間で変動する
  • 排卵後のD21は黄体ホルモン検査の重要日だが、高温期が安定しない場合は参考にならない
  • 月経周期が乱れている場合(例:35日以上)は医師の指導に基づいたカウント方法が必要

 

以上を踏まえ、D1、D3、D14といった記号は単なる略語ではなく、治療の精度と成果に深く関わる重要な指標です。患者自身が正しく理解し、医療者と共通言語として使用できるようになることで、不妊治療の流れをスムーズにし、治療効果の最大化につながります。

 

H1〜H14とは?高温期の意味と妊娠との関係性

不妊治療において「高温期」という言葉は、排卵日以降の体温が上昇している期間を示します。そしてその高温期の日数を数える際に使われる記号が「H(High temperature phase)」です。H1は排卵の翌日を意味し、H14であれば高温期が14日続いている状態を指します。このカウント法は基礎体温を毎日測定している妊活中の方にとって、妊娠の兆候を見極めるための大きな手がかりとなります。

 

高温期の基本的な定義は、排卵後に黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されることで体温が上昇し、次の月経が来るまでの期間を指します。基礎体温のグラフでは、低温期から排卵を境に体温が上昇し、そのまま高温を維持する二相性の波形が理想とされます。

 

以下に高温期のカウントと目安となる状態を示します。

 

H数体温状態意味判断されるポイント
H1〜H5高温初期排卵直後、黄体形成期着床の準備が始まる時期
H6〜H9高温中期着床が起きやすい時期hCG分泌の開始目安
H10〜H12高温後期妊娠していれば体温維持体温が下がれば月経が近い可能性
H13〜H14妊娠継続判定期高温維持で妊娠の可能性判定日(BT)と重なる

 

特に注目すべきはH7〜H10の時期です。この期間に着床が成立することが多く、体温がわずかに下がる「インプランテーションディップ(着床時低下)」が見られることもあります。これが確認されると妊娠への期待が高まる一方で、体温が急降下した場合は黄体機能不全の疑いもあるため、医師に相談することが推奨されます。

 

H数の数え方に関しては、排卵日を特定することが前提になります。排卵日の推定は、基礎体温グラフの変化や、超音波検査、尿中LHサージの有無によって判断されます。排卵日が不明確なままH数を数えてしまうと、誤解を招く原因になるため、以下のようなサポート手段を併用することが望ましいです。

 

  • 超音波検査で卵胞破裂を確認
  • 排卵検査薬の陽性反応から24〜36時間後を排卵日とみなす
  • 体温上昇が2日間続いた翌日を排卵日と仮定

 

H数に関連してよくある疑問と注意点を以下に示します。

 

  • H14を超えても高温が続いていると妊娠の可能性があるが、確定にはBT(血液検査)が必要
  • 高温期が短い(9日以下)場合は黄体機能不全の可能性あり
  • 基礎体温がガタガタして二相性が確認できない場合は排卵異常が疑われる
  • 着床時に体温が一時的に下がることがあるが、全ての人に見られるわけではない

 

また、SNSなどで「H14=妊娠確定」といった表現が見受けられますが、これは明確な誤りです。体温が高いまま続いていても、妊娠していない場合や、逆に体温が不安定でも妊娠していることもあります。大切なのは、H数のカウントと基礎体温の変化だけに依存せず、客観的な検査を組み合わせて判断するという姿勢です。

 

高温期の正確な把握は、妊娠可能性の判断だけでなく、次周期に向けた診療計画や治療方針の決定にも活用されます。黄体補充や排卵誘発剤の見直しが必要な場合は、H数に基づく診療記録が有効な情報源となるため、患者自身による記録と理解が治療効果の向上に直結するのです。

 

医師・看護師が診察で使う用語とは?シーン別に学ぶ医療現場の実際

初診時によく出る用語(FSH・AMH・排卵誘発剤など)

不妊治療の初診時には、専門的な検査用語や略語が頻出します。中でも特に多く登場するのが「FSH」「AMH」「E2」などのホルモン値や、「排卵誘発剤」の名称です。これらは患者の卵巣機能や卵胞の成熟状態を把握し、個別の治療計画を立てる際に欠かせない指標となります。

 

例えば、FSH(卵胞刺激ホルモン)は卵巣機能の基本的な評価に使われ、血液検査で測定される値が高いと、卵巣の反応性が低下している可能性があります。AMH(抗ミュラー管ホルモン)は卵巣内に残された卵子の数を示す指標として近年特に注目されており、低AMH値は「卵巣予備能の低下」と関連付けられることが多くなっています。

 

排卵誘発剤も初診で話題に出ることが多い用語です。一般的には以下のような種類が用いられます。

 

名称作用使用タイミング補足
クロミフェン排卵を促す月経周期3日目から5日間最も使用頻度が高い
レトロゾール卵胞刺激作用月経開始から5日間多嚢胞性卵巣症候群に用いられることもある
ゴナドトロピン注射(FSH製剤)強力な排卵誘発作用卵胞の発育状況に応じて調整高度生殖補助医療に多用

 

初診時にこれらの用語が飛び交う背景には、治療方針の初期設定に必要な情報を集約する意図があります。つまり、医師がこれらの数値を元にして「体外受精か人工授精か」といった治療段階を判断するためです。

 

また、患者との面談では「E2(エストラジオール)」「LH(黄体形成ホルモン)」なども併せて説明されることがあり、これらは卵胞の成熟や排卵時期の予測に用いられます。これにより、排卵日の特定や採卵日の調整が正確に行われるようになります。

 

多くの患者が初診時に戸惑うのは、これらの略語があまりにも専門的で、しかも一度に大量に登場するためです。そのため、治療経験者の多くが個人的に「用語集」や「略語メモ」を作成し、通院中に役立てています。

 

さらに、初診時に行われる検査には超音波検査(内診での卵胞数や子宮内膜の厚さを測る)や、血液検査が含まれ、それぞれが別の略語と紐づいています。以下はその一例です。

 

検査項目略語意味重要性
卵胞刺激ホルモンFSH卵巣機能の基礎評価卵胞の反応性を確認
抗ミュラー管ホルモンAMH卵子の在庫数卵巣予備能の目安
黄体形成ホルモンLH排卵タイミングを示唆排卵日決定の参考
エストラジオールE2卵胞の発育状態排卵誘発のコントロール

 

不妊治療において、初診は単なる入り口ではなく、今後の治療戦略を決定づける非常に重要な段階です。そのため、患者自身が略語の意味を把握し、医師と対話できる状態であることが望ましいです。

 

まとめ

不妊治療に取り組むうえで、専門用語の理解は精神的・経済的な負担を軽減する第一歩です。診察中に何気なく使われる「ET」「BT」「AMH」「D14」などの略語は、実は治療計画や妊娠の可否を左右するほど重要な意味を持っています。にもかかわらず、その定義や使用シーンを正確に把握している患者は決して多くありません。

 

今回の記事では、不妊治療に関わる用語を五十音順で一覧化し、卵子や卵胞、黄体ホルモン、体外受精といった基本ワードから、精子運動率や着床期、採卵に関する専門語まで、実際の医療現場に基づいた意味やタイミングを丁寧に整理しました。さらに、略語が誤用されやすいSNS上の言葉と、医療現場での正しい解釈の違いも明確に提示しています。

 

本記事を通じて、用語一つひとつの意味を正しく知り、診察時に聞き返せる準備を整えることで、納得と安心のある治療ステップを踏み出せるようになります。治療において最も避けたいのは「知らなかった」「理解できなかった」ことによる判断ミスです。今こそ、用語理解の一歩を踏み出し、情報格差による損失を回避しましょう。

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アクア鍼灸治療院は、不妊治療専門の鍼灸院です。私たちは、わずか3ヶ月で妊娠に導くことを目指しており、東洋医学の知識と技術を駆使して、患者様一人ひとりに最適な治療をご提供しています。鍼灸治療を通じて、体のバランスを整え、自然な妊娠をサポートします。初めての方でも安心して受けられるよう、丁寧なカウンセリングを行い、リラックスできる環境を整えています。

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よくある質問

Q. 不妊治療で使われる略語の中で、BTやETの違いがよく分かりません。どちらが妊娠判定に関係するのですか?
A. BTは「Blood Test」の略で、妊娠判定のための血液検査日を意味し、ETは「Embryo Transfer」で受精卵を子宮に戻す処置を指します。BTはETの後に行われるため、直接妊娠の有無を調べるのはBTになります。高温期や着床と連動して判定が行われ、hCGホルモンの分泌量により妊娠が確認されます。BT7からBT14あたりの数値が指標となるため、時期と意味の違いを正しく理解することで不安を軽減できます。

 

Q. IVFやICSIの違いがよく分かりません。どちらを選べば成功率が高いですか?
A. IVF(体外受精)は卵子と精子を体外で自然に受精させる方法で、ICSI(顕微授精)は精子を細い針で卵子に直接注入する技術です。男性不妊などで精子の運動率が低い場合にはICSIが選択されることが多く、成功率も状況により異なります。厚生労働省の報告では、ICSIは約6割が顕微授精に該当する実施例となっており、クリニックによって対応方法も異なります。患者の状態に応じた選択が必要です。

 

Q. 初診でよく出てくるFSHやAMHって何を意味していますか?それぞれの数値はどれくらいが目安ですか?
A. FSHは卵胞刺激ホルモンで卵巣の反応性を示し、AMHは卵子の在庫数に関係するホルモンです。FSHが高すぎると卵巣機能の低下が疑われ、AMHは年齢と共に減少します。20代後半ではAMHは平均3.0ng/ml程度、30代後半では1.5ng/mlを下回るケースが増えます。これらの数値は採卵の難易度や排卵誘発剤の調整、治療方針の判断材料となるため、診療時に医師から正確に説明を受けることが重要です。

 

Q. D1やH14などの周期記号は自分で正しくカウントできますか?間違えると治療に影響が出ますか?
A. D1は月経開始日、H14は高温期14日目を示す略語で、どちらも排卵や着床の時期に深く関係します。D1は経血がはっきり始まった日を指し、前日の茶色のおりものなどは含みません。排卵誘発剤はD3から投与されることが多く、誤認するとスケジュールのズレが生じ、採卵や移植のタイミングを逃すリスクもあります。正確なカウントは医師の指示と基礎体温の管理を併用し、診療予約時に必ず確認しましょう。