30歳前後の妊婦が妊娠時に流産する可能性

2011年に行われた調査によると、日本人の結婚年齢平均値は、男性30.7歳、女性29.0歳となっています。
したがって、女性が30歳前後で妊娠、出産というケースは現在、全国的に最もスタンダードなケースと言えるのではないでしょうか。

ただ、以前と比べ晩婚化、初産年齢の高齢化が進む現在では、妊娠や出産をする上で最も心配となるのが、母親の年齢による妊娠時の流産のリスクではないでしょうか。

そこで今回は、30歳前後の妊娠時に流産をはじめとした様々なリスクの確率を、その可能性を考慮しながら幅広く見ていきましょう。

母体年齢別のリスク統計

データ上、母体そして胎児ともに健康に支障をきたすリスクが少ない年齢は25歳から30歳とされています。
母体の年齢が30歳を超えると、母子ともにリスクは年々増加する傾向があります。

詳しく見ると、自然死産率は母体が30歳の時と比べ、35歳の場合は1.5倍、40代では2倍以上に増加するというデータがあります。
また、妊産婦の死亡率は、妊産婦が20~24歳である場合よりも、35~39歳で2.5倍、40歳を過ぎると5.3倍に膨れ上がるというデータも発表されています。

30歳とは最もリスクが低い年齢なのか?

では、妊産婦が30歳の場合、流産、及び母体と胎児への健康被害等のリスクは具体的にどの程度なのでしょうか。
自然死産率は、妊婦が25~29歳の場合8.1%、30~34歳の場合9.3%となっています。
さらに、25~29歳の8.1%は、20~50歳の、調査を行った全ての世代を通じて最も低い値となっています。
また、母体死亡率も全年齢で最も低い0.36%となっています。

また、子供がダウン症を持って生まれる確率も母体が30歳時点で0.1%と、35歳の0.25%、40歳の0.94%、45歳の3.3%と比べ低い値となっています。
ただし、ダウン症発症率に関しては、母体が若ければ若いほど低くなる傾向にあり、母体が25歳の場合、0.08%、20歳の場合は僅か0.05%となっています。

最後に

ご覧の通り、30歳以上の妊娠と出産の場合、流産、母体死亡率、胎児のダウン症発症率などの健康被害なしに、母子共に健康である状態で出産を終える確率が総合的に高いのは30歳前後です。
しかしながら、流産、死産、母体、胎児への健康被害に見舞われる確率がゼロというわけではもちろんありません。

どのタイミングで妊娠、出産をすることになっても決して油断せず、胎児そして母体にとって最適な生活と治療を模索し続ける努力が、双方の健康を維持するために最も重要な要因と言えるでしょう。